不動産売却の流れを「仲介」と「買取」に分けて解説

2022/02/23

売却

不動産の売却を考えたとき、皆さんはまずどうされるでしょうか？駅前にある大手不動産会社に相談に行きますか？査定サイトを利用して自宅の値段を調べますか？実際には不動産屋にも「仲介」を専門にやっている会社と「買取」を専門にやっている会社があります。そもそも不動産売却には、「仲介」と「買取」の2つの方法があります。2つの違いを説明していきましょう。

1. 不動産売却とは

所有する物件、もしくは生前贈与や相続などで取得した物件の売却を考えたとき、自分で売却先を探すこと、そして契約に係る複雑な作業をこなすのは一般の方には非常に困難です。そこで、不動産会社に売却相談をするのが一般的です。

2. 不動産売却の種類

私たち一般の目線からすると不動産会社はどこも同じに思えますが、実際には賃貸会社、管理会社、売買仲介会社、買取会社と様々な種類の不動産会社が存在します。今回は売却時に相談すべき不動産会社を選びやすくするために、不動産売却の「仲介」「買取」について説明していきます。

2-1. 仲介売却

仲介は不動産業者に売却を依頼し、売却のための媒介契約を結びます。仲介会社は売り主に代わって一般市場で幅広く買主を探します。販売価格については、仲介会社からの査定報告書に基づき、過去の売買事例や、現在の類似物件の販売事例、売却希望時期や期間などから売り主自身が決めることができ、相場どおりの価格で売れる可能性が高まります。ただし、購入希望者を見つけることから始めるため、いつ売れるのか？という確約ができず、売れるまでの期間が長くなる可能性があります。

2-2. 不動産買取

不動産買取の場合、買主が不動産業者となります。物件を買った不動産会社はリノベーションなどをして、再販することが目的になりますので、その買取価格は市場相場よりも低くなる可能性があります。ただし、不動産会社との契約の場合には、一般の買主との間にある「住宅ローン特約」という融資が付かなかった場合の白紙解約の特約がないため、決められた売却期間のある場合、短期間で確実に売却できることになります。

3. 仲介売却の流れ

それでは仲介売却の場合の流れについて確認していきましょう。

3-1. STEP①：査定依頼

不動産を売却する時には、仲介会社に連絡し所有物件の価格査定をしてもらいます。正確な価格は、現地調査、内見を含みますが、簡易的なものであれば内見しないで査定してくれる会社もあります。また今は一括査定サイトも存在します。周辺の取引事例や公示価格・路線価などの公的データ、所有者のご要望を加味したうえで売出し価格を決めていきます。

3-2. STEP②：媒介契約の締結

媒介契約は、その会社がどんな販売活動をしてくれるのか、よく確認したうえで締結しましょう。その仲介会社にしか売却を依頼できない専属専任媒介契約、自分もしくはその仲介会社のみに依頼できる専任媒介契約、数社に依頼できる一般媒介契約などがあります。販売内容や販売の報告の内容が変わりますので、よく説明を受けることが大切です。

3-3. STEP③：購入希望者が現れるのを待つ

売却活動を開始すると、各ポータルサイトや広告、不動産業者内のレインズと言われる情報機関に物件情報が掲載され、売却活動が始まります。実際に内見にお客様が訪問されることも多くなるでしょう。どこが自分の物件の「売りポイント」なのか、仲介会社と打ち合わせしておくとよいでしょう。

3-4. STEP④：契約条件のすり合わせ

購入希望者からの購入申込書が届いたら、価格や引き渡し時期、引き渡し条件、契約上の取り決めなどを確認します。買主が住宅ローンを使用する場合には、住宅ローンの本承認が下りなかった場合に白紙解約ができる「ローン特約」が設定されます。契約前に、買主が事前審査などで、解約になる可能性がないか確認しておく必要があります。また、自身が買い替えの場合は、「買い替え特約」や、引き渡し時期のすり合わせなども重要です。

3-5. STEP⑤：不動産売買契約の締結

不動産売買契約を締結します。買主には仲介会社が作成した重要事項説明書が交付されます。自身の所有物件の設備の状況などに確認もありますので、事前に仲介会社との打ち合わせをしておきましょう。また聞きなれない条文などがあっても、何度も仲介者に質問をし、不安のない取引を行えるよう注意を払いましょう。

3-6. STEP⑥：決済・引き渡し

契約時に確認した状況で、残代金を受領し、固定資産税、管理費などの清算金を清算します。着金確認後、所有権を移転、鍵、物件の引き渡しを行います。

4. 不動産買取の流れ

それでは不動産買取の流れを確認していきましょう。

4-1. STEP①：査定依頼

買取をしてくれる不動産会社に査定依頼をします。仲介会社に依頼して、買取会社との売買契約を仲介してもらうこともできます。一括査定サイトなどを利用する方法もあります。

4-2. STEP②：契約条件のすり合わせ

引き渡し時の条件を確認します。一般的には現状で買取をしてくれる会社が多いですが、所有者しかできない測量や、場合によっては建物の解体後引き渡しを希望されることもあります。契約不適合責任などの売主の責任になる事を免除してくれるかの確認も必要です。

4-3. STEP③：不動産売買契約の締結

不動産売買契約を締結します。契約不適合責任、および設備の修理義務など一般契約では売主負担になるものも、業者買取の場合は免責としてもらえる場合もありますので、確認をしておきましょう。

4-4. STEP④：決済・引き渡し

契約上決めた期日に残代金を受け取り、固定資産税管理費などの清算金を清算し、所有権移転手続きを行います。

5. まとめ

不動産を早く確実に売却したいなら買取、時間がかかってしまっても、希望価格で売却したいというなら仲介というように、物件の状況や自身の事情に合わせて検討してください。

不動産オーナー1年目の学校