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不動産オーナー1年目の学校

揉めない相続対策、争族にならないための相続準備

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揉めない相続対策、争族にならないための相続準備

遺産相続といえば、“骨肉の争い”で兄弟が衝突するなどのテレビドラマのイメージが強くないでしょうか。仲の良かった兄弟が相続を機に揉めて疎遠になることもあります。うちは富裕層でないから関係ないと思う方もいますが、最近では“普通”の資産額の相続トラブルが増えています。今回はトラブル例も含めて残された家族が揉めない相続対策について解説します。

1. 相続で揉めるのは富裕層だけではない!?

相続は富裕層だけの問題と考えていませんか?令和2年の司法統計のうち「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」から、遺産額が1000万円以下の事件件数割合は全体の約34%、5000万円以上になると約77%となり、年々資産額5000万以下の事件件数は増えています。資産額が少なくても相続トラブルはあることを証明できます。「うちはお金がないから」という世帯ほど相続トラブルの可能性があるかもしれません。

2. なぜ、相続でもめるのか?トラブル事例を紹介

なぜ、相続で揉めるのでしょうか?トラブル事例4つを挙げて紹介していきます。

2-1. トラブル①兄弟間での相続割合で揉める

相続で揉めるケースで多いのは兄弟間の二次相続です。遺言書で不均等な配分をされる、お互いに権利を主張し合うなど兄弟間の相続調停は少なくないです。生前、被相続人に尽くしてきたかによる寄与分の不平等も兄弟間で揉めます。 また、兄弟が多い場合は

  • 寄与分の主張
  • 被相続人の生前に資産を使い込んだ
  • 遺産分割協議に来ない
  • 借金がある場合は誰が払うのか

などのトラブル例もあります。また、子がいない被相続人の場合は親や兄弟姉妹に相続権が発生します。また、兄弟姉妹が死亡している場合は甥や姪に相続権が移動します。これを代襲相続と言います。代襲相続がある場合も相続手続きに混乱します。

2-2. トラブル②知らない相続人が出てくる

よくTVドラマで出てくるシナリオですが、被相続人に愛人や前妻の子がいたケースもあります。認知されていれば、被相続人の子として相続権があります。腹違いだから権利を拒否することは難しいでしょう。 複雑な気持ちですが、権利がある以上相続しなければなりません。 逆に、失踪していた家族が突然戻ってきて、遺産分割協議を混乱させる事例もあります。このケースもトラブルになり解決が困難です。

2-3. トラブル③遺言書がない

被相続人が急死するケースや生前、認知症などで意思疎通ができないまま死亡した場合、遺言書がないまま相続手続きです。遺言書がないので、誰に相続権利があるのかわからない状況になり、揉めてしまいます。とくに不動産相続の場合は遺産分割協議が難しくなります。

また、遺言書を作成しても裁判所で承認されない事例もあり、遺言書がないと見なされます。その場合は法定相続分の相続で進めるので、解決が難しいです。

2-4. トラブル④不動産など分割できない遺産がある

相続トラブルになりやすい遺産は不動産です。不動産は簡単に現金化できる資産ではないので、相続割合通りにならないことを覚悟しましょう。分割方法も多様な方法があるので、どの方法を選ぶのか難しいです。特に自宅が遺産の場合は相続前から居住している相続人がいることもあるので、揉めやすくなります。 また、賃貸住宅や山林を保有している場合は、分割が難しいこと、不動産の管理を誰が行うのかという問題が発生します。

3. 生前にできる揉めない相続対策とは

相続トラブル例を紹介しましたが、準備や下調べによって問題なくスムーズに進む相続もあります。ここでは生前にできる揉めない相続対策について解説します。また、司法書士や弁護士を活用して相続のプロに相談するのも良いでしょう。

生前にできる揉めない相続対策とは

3-1. 対策①遺言書と財産目録を作成する

残された家族が相続で困らないように遺言書と財産目録を作成しましょう。遺言書と財産目録を作成しておくことで遺産分割協議がスムーズに行えます。また、遺言書は効力の有効性が認められるように作成することがポイントです。

遺言書の作成方法については、

  • 自筆遺言証書:自筆で作成する遺言証書(財産目録はパソコンで作成可能)
  • 公正遺言証書:公正人に作成をお願いする遺言書
  • 秘密遺言証書:誰にもみられないように保管する遺言書

の3種類があります。

また、財産目録は保有している金融財産の保有数や保有額、土地、建物またはマンションの内容が記された書類です。財産目録はパソコンで作成しても可能です。有効性を確保するために必ず、遺言書を作成した日付と署名・押印が必要です。

3-2. 対策②分割を行う

遺産の分割方法は3つの方法があります。

  • 代償分割:相続人の一人または数人が現物で取得し、その代償として債務や代償金などの財産を支払う方法。
  • 換価分割:不動産などの遺産を売却し売却財産を分ける方法
  • 現物分割:不動産をそのまま相続して共有する方法

相続対策として遺産を分割して相続する方法があります。不動産相続の場合は建物や土地を分け合うことは非常に困難です。代償分割は複数の資産がないと適していないことなどメリットとデメリットがあります。現実的に相続人が実現できる方法を選ぶと良いです。分割で相続を行う場合は必ず、遺言書の作成が必要です。

3-3. 対策③普段から家族とのコミュニケーションを心がける

子供が独立すると会える時間が限られてしまい、コミュニケーションが取りにくくなります。自分の財産状況や死亡した時のことを考えて、家族に財産の方向性を伝えることが大切です。後回しになりがちですが、年を取るにつれて健康状態が悪化することや記憶力の低下や認知のずれが出てきます。自分が元気なうちに財産の整理を行うことが将来相続する家族が困らないようにしましょう。

4. まとめ: 相続対策は残された家族への思いやり

相続対策は残された家族への思いやり

今回は家族同士が揉めない相続について解説しました。相続トラブルは資産額が少なくても起こるトラブルです。生前にできる対策をしておくことで残された家族が困ることがありません。『私たちは残せるお金はない。』と思っていてもマイホームや預金は資産です。元気なうちにご自身の財産と相続について考えてみませんか?


【参考サイト】
司法統計 | 裁判所
遺言書の様式等についての注意事項 | 法務省
財産目録 | 裁判所
相続で揉める家族の特徴7選 | 揉めないための事前の対策
遺留分とは何ですか? | 法テラス
遺産が少なくても相続争いは起こる | 三菱不動産販売
遺産相続問題のよくある事例11選 | 知っておくべき相続トラブル対策
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