不動産投資におけるインカムゲインとキャピタルゲインを徹底解説

2022/02/23

不動産投資をする際、インカムゲイン・キャピタルゲインと呼ばれる利益獲得の仕組みを理解する必要があります。しかしこの2つの言葉に対して、「聞き慣れない言葉だ」と感じている人も多いのではないでしょうか？この記事ではこれから不動産投資をする人に向けて、インカムゲイン・キャピタルゲインとは具体的にどのようなものなのかを説明した上で、不動産投資におけるそれぞれの特徴を解説していきます。

1. インカムゲインとは

まずはインカムゲインについて以下で詳しく解説します。家賃収入を得ることを考える際に重要になってくる仕組みなのでしっかりと理解を深めるようにしましょう。

1-1. インカムゲインの仕組み

資産を保有することで利益を得ることを「インカムゲイン」と呼びます。インカムゲインでは基本的に保有期間の長さではなく、特定の日に資産を保有していれば利益が得られる仕組みです。例としては銀行にお金を預金した際にもらえる利息や、投資した企業からの配当などが挙げられます。

家賃収入は不動産投資におけるインカムゲインの一つです。所有している不動産資産の運用次第では長期的かつ安定的に現金収入が得られるといった特徴があります。

1-2. インカムゲインのメリット

基本的にインカムゲインで使う資産は価値が目減りすることはありません。利益が右肩上がりに積み上がっていくので、こつこつ収入を得たい人に向いています。不動産での家賃収入であれば毎月決まった収入が手元に入ってくることになります。家賃は物件価値と比較して価値が激しく上下しないという特徴もあるため、安定度も高いです。

1-3. インカムゲインのデメリット

一方でインカムゲインには安定的に収入が得られるようになるまでに時間がかかるという側面があります。短期間で大きな金額を稼ぎたいという人には向きません。さらに不動産投資におけるインカムゲインでは、所有しているアパート・マンションの空室率が重要になってきます。空室率が低ければ収入が多く得られますが、高い場合では満足できる収入が得られません。

2. キャピタルゲインとは

次に不動産投資でのキャピタルゲインと呼ばれる利益について解説します。

2-1. キャピタルゲインの仕組み

資産を保有することで利益を得るインカムゲインとは異なり、キャピタルゲインでは資産を売却することで利益を得ます。安く資産を購入し、高く売って利益を得る仕組みです。逆に購入価格よりも売却価格の方が安くなってしまうことを「キャピタルロス」と呼びます。

不動産投資の場合、購入した資産の価値の変動で利益が得られるかどうかが変わります。日本では戦後の時代にキャピタルゲインを得ようとする不動産投資が盛んに行われました。

2-2. キャピタルゲインのメリット

キャピタルゲインではインカムゲインよりも大きな利益が獲得できる可能性が高いです。所有している不動産周辺の都市開発などによって価格が大きく変動することもあります。例えば、まだ都市開発が進んでいない不動産価値が低い段階で購入し、開発完了後価値が高くなったタイミングで売却して利益を得るといったことなどが挙げられます。

2-3. キャピタルゲインのデメリット

インカムゲインとは異なり、大きな損失を被るリスクが高いのもキャピタルゲインの特徴と言えます。所有している資産の価値が購入時よりも下がってしまった場合は利益が得られません。不動産投資におけるキャピタルゲインは地域の人口減少や地価の下落などによって影響を受けます。現在日本各地で不動産価格の低迷・下落が起こっているため、リスクを回避するためにはその地域の将来性を見極めなければなりません。

3. 【目的別】インカムゲインとキャピタルゲインのどっちがおすすめ？

インカムゲイン・キャピタルゲインにはそれぞれ特徴があり、一概に「どちらがいい」と言うことはできません。不動産投資をする際には自分がどのような利益を求めるのかを考え、どちらにターゲットを定めるのかを決める必要があります。

3-1. 安定的に収入を得たい人はインカムゲイン

インカムゲインでは一度に大きな利益が得られない反面、資産を保有することで利益が得られます。従って、長期間にわたって安定的に収入を得たい人にはインカムゲインがおすすめです。一時的に資産価値が下がることもインカムゲインではありますが、だからといって手放さなければならないというわけではありません。

そのため損失を出すリスクをおさえながら収入を得たいという人にもインカムゲインでの不動産投資は向いています。資産価値の変動を常に見張っている必要もないため投資の際の時間コストもかかりません。

3-2. リスクを伴っても利益を大きくしたい人はキャピタルゲイン

キャピタルゲインはリスクが高い反面得られる利益がインカムゲインよりも大きくなります。大きな利益を狙うのであればキャピタルゲインがおすすめです。また、利益を得るためには一定の期間が必要なインカムゲインに対してキャピタルゲインは短期間で利益が得られます。

地価や地域の情勢によってキャピタルゲインで得られる利益は変動します。さらに自然災害によって不動産価値が暴落することもあります。キャピタルゲインを狙って不動産投資をする際には利便性などに注目するようにしましょう。

4. 不動産投資でキャピタルゲインを得るのは難しい?

不動産投資の他にも株やFXなどでもキャピタルゲインは狙えます。しかし不動産は他の資産よりも価値の変動が少ないです。そのため不動産は大きなキャピタルゲインが狙いにくいという特徴があります。

さらに不動産投資をする際には仲介手数料や税金といったコストがかかります。自分の利益になるのはコストを差し引き、手元に残った金額だけです。結果として全体の利益が少なくなります。地価がはね上がるような大きな社会の動きがない限り、不動産投資で莫大な利益を得るのは難しいです。キャピタルゲインで大きな利益が欲しいのであれば株式投資が一番向いているとも言われています。