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不動産オーナー1年目の学校

相続が発生したときの手続き〜時系列に沿って解説〜

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相続が発生したときの手続き〜時系列に沿って解説〜

不動産保有者が死亡した場合、遺族は慣れない相続手続きに戸惑います。遺族は悲しみに暮れる間もなく、葬儀や各種手続きなどで慌ただしくなります。自分が亡くなる事や相続の手続きに直面した時にどのようにすれば良いのか時系列に沿って解説します。

1. 被相続人が死亡してからするべき手続き

被相続人(遺産を残して死亡した家族)の死亡が確認され、遺族のやるべき事は多岐に渡ります。心身に負担がある中、死亡届の提出から公的年金の停止など各種サービスの手続きをします。相続の手続きには期限があるものとないものがあります。そこで相続手続きの流れを踏まえていきましょう。

1-2. ①公的保険、年金の解約の手続き

被相続人の死亡が確認した日から2週間以内を目安に下記の手続きを行います。

  • 年金の受給停止
  • 健康保険の脱退手続き
  • 金融機関の口座閉鎖
  • 水道やガス、電気の公共サービスの名義変更

他にも有料サービスを使用している場合の解約や名義変更を行う必要があります。特に金融機関の口座の閉鎖は相続には関係ある部分です。もれなく手続きしましょう。

1-3. ②遺言書がないか確認する

被相続人が記載したとされる遺言書の有無を確認します。期限はないですが、2ヶ月以内が良いでしょう。有効な遺言書がある場合は記載通りに遂行します。注意点は遺言証書の種類を確認です。遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合は裁判所に検認が必要です。

1-4. ③相続人の確認を行う

被相続人の遺産を相続する人が誰で被相続人の関係(続柄)を確認します。遺産分割協議を相続人が誰かを把握することが大切です。被相続人が亡くなったことを受け、知らない相続人が出現します。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得して確認しましょう。

1-5. ④相続財産の調査

不動産の他、金融資産、物的資産(自動車など)など調査します。不動産の場合は土地と建物の登記簿謄本と固定資産税課税証明書を取得します。不動産の場合は土地・建物や山・森林など誰の名義で持分を把握します。持分割合の記載は登記簿謄本で証明されています。その他、金融資産の残高と物的資産に換金性があるのか把握しましょう。

1-6. ⑤遺産分割協議の実施

遺産分割協議の実施には期限がありませんが、遺産分割協議書がないと相続登記ができません。特に相続人が多い場合は遺産の相続分の確定をしないとトラブルが発生します。相続人全員の同意がないと遺産相続協議は成立しません。また遺産分割協議書の作成に向けた書類手続きの準備を行います。

1-7. ⑤単純承認・限定承認・相続放棄の決定

単純承認・限定承認、相続放棄は3ヶ月以内に申請します。単純承認・限定承認は相続人全員で家庭裁判所へ申出を行います。相続放棄は相続人単独で家庭裁判所へ申出します。

単純承認は負債も含めた遺産を全て相続することを指します。限定承認は被相続人のプラスかマイナスかわからない遺産を相続する際にプラスの資産を限度にして負債も相続することです。相続放棄は名の通り一切の遺産の相続を放棄することです。相続人に相続放棄者がいる場合は放棄する相続人はいないとみなして相続します。

1-7. ⑥準確定申告

被相続人が事業所得や不動産所得がある場合は準確定申告を行います。準確定申告とは生前までに所得がある分の所得税を申告と納付を行います。手続きは相続開始を知った日4ヶ月以内に行います。被相続人から生前に準確定申告の必要があることを託された場合は税務署や税理士に準確定申告の必要を確認しましょう。

1-8. ⑦相続税の申告・納税

相続税の申告は相続を知った日から10ヶ月以内に申告・納付をします。相続税の基礎控除を超えない場合、申告は不要です。しかし、不動産の評価額よっては基礎控除を超える場合もあります。また、配偶者がいる場合は配偶者の税額軽減があるので、相続税の負担が少ない場合があります。しかし、二次相続の場合は税額軽減がないので相続税の負担が大きくなります。

【相続税の基礎控除】
3000x(法定相続人の人数x600万)=基礎控除

1-9. ⑧遺産分割協議書の作成

遺産分割協議で相続人全員の同意を得ることができた時に遺産分割協議書の作成を行います。遺産分割協議書がないと相続登記はもちろん、預貯金の口座解約や名義変更を行えない場合があります。遺産分割協議書の作成は法務局のホームページで取得できますが、作成が難しい場合は司法書士へ依頼すると良いでしょう。

1-10. ⑨相続登記

遺産分割協議書の作成が完了次第、相続登記の申請を行います。手続き期限がありませんが、早めの手続きを行いましょう。相続登記は多くの書類が必要です。不動産の種類によっては書類の準備が困難を極める場合もあります。自分で不動産所在地の管轄の法務局に行くことも可能です。場合によっては司法書士にお任せすることをおすすめします。

相続登記

2. 手続き期限に間に合わないとどうなるのか?相続税を期限に納められない時の対処

故人の相続手続きを期限内に行わないと、ペナルティはありませんが、銀行口座が使えないなど不利になります。特に故人の所得税や相続税の申告が遅れると延滞税が発生します。最悪は財産の差押の可能性もあります。特に遺産分割協議の成立に時間がかかる場合相続税の申告が遅れてしまいます。手続きが遅れて、納税ができない場合の対処法について解説します。

2-1. ①延納

相続税は原則、現金一括払いですが、金銭的に難しい場合は延納手続きができます。延納とは相続税が10万円を超える場合、税務署で手続きすることにより年間で分割払いができます。分割可能年数は5年から20年で、不動産などの財産によって最長年数が決まります。最長年数まで希望する年数を選択できます。

ただし、

  • 10万円以下の延納はできない
  • 延納を申請しても却下される可能性がある
  • 延滞税には適用されない

ことを念頭にいれておきましょう。延納ができない場合は物納に移行します。

2-2. ②物納

物納とは金銭以外で納入する方法です。相続税の場合は例外的に相続資産からの物納ができます。物納の申請は税務署で申請し、税務署長の認可が必要です。また、物納には財産の優先順位があります。

【物納の資産順位】
1.国債・地方債 2.不動産・船舶、3.社債・株式・証券投資信託または貸付信託の受益証券、4.車などの動産

また、管理や処分に不適合な財産は認められません。相続税課税時の評価の納付を行い、物納によって納付された財産は競売などで換金されます。

3. まとめ

相続手続きは誰もがなれている手続きではないので、書類の準備に苦労します。手続き期限に注意することを心がけることや難しい場合は相続のプロに依頼するなど対策方法はあります。事前に手続きの流れを把握して準備することが大切です。

まとめ

【参考サイト】
相続手続きって何から始めればいいの?手続きの流れを詳しく解説
相続の承認又は放棄の期間の伸長 | 裁判所
延納・物納申請等 | 国税庁
物納とは | at home
相続手続きの「全手順」や期限を一覧で時系列に詳しく解説!

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