駐車場投資は甘くない!デメリットと特有のリスクを紹介します

不動産投資の中でも、駐車場投資はローリスクと言われます。とはいえ、デメリットやリスクがない投資は存在しません。特に駐車場投資には、特有のリスクもあり、「簡単に成功できる」というわけではありません。そこで本記事では、駐車場投資のデメリットと特有のリスクに焦点を当てて解説していきます。
1.駐車場投資とは
最初に、駐車場投資の概要を解説します。
駐車場投資とは、駐車場をつくりそこから収益を上げる不動産投資です。
駐車場投資は大きく分けて、「月極駐車場経営」と「コインパーキング経営」の2種類の経営方法で分けられます。
月極駐車場経営とは、一か月単位で駐車場を貸し出し利益を上げる駐車場投資です。対して、コインパーキング経営とは、不特定多数の利用者から利用時間分の料金を徴収することで利益を上げる駐車場投資です。
加えて、立体駐車場にするのか平面駐車場にするのかなど、同じ駐車場投資でもどの投資方法を選択するかによって、性質が全く異なるのが駐車場投資の特徴です。
2.駐車場投資がローリスクといわれる理由
ではなぜ、駐車場投資はローリスクと言われることが多いのでしょうか。
その理由としては、初期投資額がその他不動産投資と比較して低いことが挙げられます。
例えば新築区分マンション投資を始めようとした場合、初期投資額は数百万円~数千万円は必要です。一方で、駐車場投資を始めようとした場合、土地代と駐車場を管理する設備のみ購入すればいいため、初期投資額は数十万円~数百万円で抑えることが可能です。
さらに既に土地を所有している人の場合は、駐車場管理設備のみの購入でいいため、ほとんど初期投資が必要ありません。
このように、他の不動産投資では数百万円以上必要な初期投資が、駐車場投資では数十万程度で済む場合があるため、駐車場投資がローリスクと言われるようになりました。
3.駐車場投資のデメリット

このように、駐車場投資は比較的ローリスクで始めることができます。
しかし、ローリスクだからこそ誰でも成功できるというわけではなく、駐車場投資には気を付けるべきデメリットもあります。
一つひとつ見ていきましょう。
3-1.デメリット①:土地を所有していない人は土地を探す必要がある
デメリット1点目は、土地を所有していない人は土地探しから始める必要があることです。
土地を所有している人であれば、駐車場を管理する設備を購入するだけで駐車場の経営を始められます。しかし、土地を所有していない人の場合、土地を購入することが求められます。
土地探しには、駐車場投資に向いている土地はあるか、実際に売りに出されているか、売主との合意は得られるかなど、様々なハードルが伴います。このハードルを乗り越えなければならないため、駐車場投資は土地を所有していない人にとっては、一概にローリスクと言うことはできません。
3-2.デメリット②:税制上の優遇が少ない
デメリット2点目は、駐車場投資は税制上の優遇が少ないことです。
駐車場は老朽化しないため、老朽化してしまうマンションやアパートにある「減価償却」が適用できず、節税効果を期待できません。
また、土地は固定資産税などが少なくなる「減税措置」の対象外であるため、固定資産税が多額になります。具体的には、マンションやアパートの2倍~6倍にもなるケースも少なくありません。
節税目的で不動産投資を活用する人も多い中、税制上の優遇が少ない駐車場投資は節税の観点では魅力的ではないのです。
3-3.デメリット③:収益性が低い
デメリット3点目は、収益性が低いことです。
駐車場投資はローリスクであるかわりに、ローリターンである特徴も持ちます。これは薄利多売とも言い換えることができ、多額の利益を求めている人にとっては不向きと言えるかもしれません。
3-4.デメリット④:駐車場投資特有の様々なリスクが伴う
デメリット4点目は、駐車場投資特有の様々なリスクが伴うことです。
上物を購入して運営・管理していくその他不動産投資とは違い、駐車場投資には特有のリスクが発生します。
詳しくは、次項で解説していきます。
4.駐車場投資特有のリスク一覧

では、駐車場投資特有のリスクとは一体何があるのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。
4-1.無断駐車リスク
駐車場投資には、無断駐車されるリスクが伴います。
これは特にコインパーキング経営に多く見られ、利用料金から売上をたてる駐車場投資には最も避けたいリスクと言えます。
回避するためには管理システムを備えた設備を購入する必要がありますが、これは追加費用が発生してしまいます。また、目視で確認する場合は常に気を張っておかなくてはなりません。
こちらは、利用料金に売上が依存する駐車場投資ならではのリスクです。
4-2.不正駐車リスク
駐車場投資には、不正駐車されるリスクもあります。
不正駐車とは決められた場所に駐車しない駐車のことを指します。ここからトラブルに発展したり、他の駐車スペースへの侵入で駐車可能台数が減ることに繋がります。
しかし不正駐車を常に監視しておくのは大変なことなので、こちらも無断駐車同様に、管理システムを備えた設備を購入することが求められます。
4-3.利用料金の滞納リスク
利用料金を滞納されるリスクもあります。
これは特に月極駐車場経営に多く見られ、1台の利用料金が大きい月極では大きなリスクとなります。
4-4.駐車場内の事故・盗難リスク
経営する駐車場内で事故や盗難が発生するリスクもあります。
事故や盗難は管理者の責任にはなりませんが、思わぬトラブルに発展することもしばしば。かつ、事故や盗難リスクは不特定多数の利用者がいる駐車場では避けることは難しいです。
こちらに関しては防犯カメラの設置などで発生リスクを抑えることができますが、100%発生させないことは不可能です。
4-5.騒音などに伴う苦情発生リスク
車が出す騒音や排気ガスなどを原因とする、苦情発生リスクもあります。
駐車場の周辺は住宅地であることが多いため、騒音などの苦情は少なくありません。こちらも管理者の責任ではありませんが、管理する駐車場内で発生するトラブルには対応することが求められます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
このようにローリスクという最大のメリットを有する駐車場投資にも、様々なデメリットや特有のリスクが存在しています。
【駐車場投資=ローリスク=簡単に投資が成功する】というわけではないことを、本記事を通して理解していただけますと幸いです。