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不動産オーナー1年目の学校

不動産投資をするなら知っておくべき法律「借地借家法」とは

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不動産投資をするなら知っておくべき法律「借地借家法」とは

賃貸の不動産投資を始める前に覚えておく法律はあることをご存じですか?借地借家法と言われて入居者にお部屋や土地などを貸し出すための権利などについて定められている法律です。特にアパートやマンションオーナーは必ず覚えておくべき知識です。

1. 借地借家法とは

借地借家法とは建物や土地を誰かに貸し出す際、それぞれの当事者の義務について定められている法律です。民法の特別法です。物件を貸す人を貸主と言い、物件を借りる人と借主と言います。第1章の総則の(趣旨)第1条の部分に「この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。」

2. 借地借家法に基づく権利「借家権」

「借家権」とは不動産オーナーにお金を払って生じる借主側の権利です。物件を借りる人(借主)のことを賃借人、物件を貸す人(貸主)を賃貸人と言います。賃借人は万が一、不当な立ち退きに合っても賃借人が保護されます。借家権は契約の範囲で物件などの目的物を使用でき、収益を得ることができる一方、賃料を支払わなければなりません。民法上、債権となります。第三者に貸し出すときは賃貸人の承諾を得なければならないなど物権より法的の効力が弱いです。また、借家権には普通借家権と定期借家権の2つがあります。

3. 貸主(オーナー)に課せられる義務

貸主(オーナー)に課せられる義務

借地借家法の下に貸主側に課される義務について解説します。借主に物件を使用収益させる義務 (※使用収益→目的物を利活用して利益・利便を得る)、貸出物件の修繕を行う義務など貸主に対して対応しなければならないことが記されています。

3-1. 使用収益させる義務

賃貸人に対して、物件を使用できるようにさせる義務があります。賃貸人が賃借人に物件を引き渡すことも義務です。ただ単に物件を引き渡すだけではなく、使用・収益に適した状態にすることも義務の内容です。例えば、アパートの賃貸人は、他の居室の賃借人の騒音対し賃借人同士の言い合いだから関与しないという訳にはなりません。迷惑行為が賃借契約上違反するものであること、契約遵守されていない事項であれば賃貸人は是正を求める義務があります。

3-2. 修繕対応をする義務

賃貸人は貸出物件が使用または収益が得られない状態になった時には修繕に応じる義務があります。例えば居室のエアコンが故障した際に、賃貸人は賃借人が問題なく使用できるように修理の手配や費用を負担しなければなりません。建物賃貸借契約において、建物の使用収益を行う上で必要となる修繕をする義務は、原則として、賃貸人が負担します。民法は、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定めているからです(民法606条) 。その趣旨は、賃貸人は、賃貸建物を賃借人に使用収益させることの対価として、賃借人から賃料を頂いています。賃料を請求する以上は賃貸建物を賃借人の使用収益に適する状態することで賃貸する義務があります。

4. 借主(入居者)に課せられる義務

賃貸物件を貸し出す代わりに入居者(借主)にも課せられる義務があります。義務が果たせないと賃貸借契約の解除に関わる事項もあります。ぜひ、覚えておきましょう。

4-1. 賃料(家賃)を支払う義務

賃料(家賃)を支払う義務

借地借家法では、過去に合意した賃料が経済情勢の変動等により不相応となった場合、賃料の増減額請求ができるという定めがあります。賃借人から減額請求があった場合、必ずしも応じる必要はありませんが、応じない場合は調停から裁判に発展することがあります。賃料を後払いで支払う義務がありますが、一般的には先払いが現状です。特に賃借人とのトラブルについて多いのは賃料です。賃貸人・賃借人の双方に請求に応じる義務があることを認識しましょう。

4-2. 賃貸契約書の内容を遵守する義務

借主に物件を貸し出すときには賃貸契約書を交わしてから物件を引き渡します。賃貸契約書には貸出物件の使用・収益に対する決まりを制定します。※契約者が作成する(主に貸主側) 例えば、建物賃貸借の場合は居室内でのペットの飼育禁止や楽器の演奏禁止などが該当します。居室を貸し出す以上、物件の使用は広汎性が伴います。契約時に使用方法をあらかじめ定めておくことが一般的とされています。賃貸契約書の内容を遵守しない入居者が契約解除となる事例もあります。

5. まとめ

賃貸住宅オーナーが認識しなければいけない法律、借地借家法の解説をしました。アパート・マンションを貸し出す際には双方に権利があることと不当な立ち退きに対して借家人の権利を守る法律となります。万が一、借主とトラブルになった際には借地借家法の定めに則って、トラブル改善に努めることが重要です。法律を覚えることは難しいですが、借地借家法は賃貸住宅経営に役立ちますので、ぜひ知識を覚えておきましょう。


参考サイト
賃貸人(貸主)はどのような法的義務を負うのか? | 不動産問題ネット相談室
借家人間のもめごととオーナーの対応 | 公益社団法人 全日本不動産協会
賃貸借契約によって発生する権利義務 - 国土交通省

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