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不動産オーナー1年目の学校

アパート経営で避けられない修繕の種類と費用を解説

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アパート経営で避けられない修繕の種類と費用を解説

アパート経営をしていると建物の修繕をどのようにすれば良いのか?どのくらい費用がかかるの?と悩みがつきませんよね?建物の築年数を重ねてしまうと定期的なメンテナンスが必要不可欠です。今回はアパートの建物や居室の修繕について解説していきます。

1. アパート経営では修繕費の支出は避けられない

アパートに限らず、建物の築年数を経過すると経年劣化で建物や居室の修繕が必要です。特に居室は入居者が退去するたび、設備の交換や壁紙の張り替えなどメンテナンスを行います。空室を出さないためにも修繕することは重要視されています。アパート経営の上では切避けられない支出となります。できるだけの出費を避けたいと考えるオーナーさんも多いでしょう。築年数に応じた修繕計画を行い、利益を確保することが収益化につながります。

2. 4種の修繕と費用

アパート修繕には4種類あります。4種類の修繕と費用がいつ・どの場面・どのくらいの金額がかかるのか経費支出の計画を年単位で建てることが重要です。

2-1. 補修

補修とは入居者が居室内、または共用部分の設備を破損・不具合を修繕することです。給湯器やエアコンの不具合といった、機器の交換や修理の細かい補修から、壁紙の汚損や雨漏りや水漏れの修繕、水道設備の修理といった大きな補修まで、幅広く対応します。事故や突発的な出来事による大きな破損に対しては、補修に時間と大きな費用を要しますが、破損機器の修理や交換は日数をかけることなく補修できます。なるべく頻繁な補修を防ぐためには、定期的な点検を行い、入居者を迎える前にこまめな修理を行うことで、防げます。なお、補修は、故障や不具合が発生する度に費用が発生し、補修の費用は内容によりますが、数万から数十万が相場です。

2-2. 予防修繕

予防修繕とは、大きな修繕を防ぐために行う修繕のことです。大規模修繕の際に大きな修繕とならないようにリスクを軽減するために行います。こまめに破損しやすく、不具合が出やすい箇所に対して予防修繕を行うことで、将来的な修繕コストを抑えられます。主な予防修繕の内容はシロアリの検査と外壁のチェック、建物の検査、各設備機器の定期検査です。修繕の時期は年単位が多く、費用は数十万から数百万程度のものもあります。

2-3. 現状回復

現状回復とは入居者が退去する際に発生する居室の修繕です。特に退去後は壁紙の汚れや、設備機器に劣化や破損が発生しています。新しい入居者を迎えるための必要な修繕で、一般的には入居者(賃借人)から支払われた敷金から差し引かれます。居室が問題なくきれいな状態であれば、ハウスクリーニングのみになりますが、居室の設備の破損や壁紙・天井の破損は、入居者の責任において修繕します。改正民法では賃借人には原状回復義務があります。

<引用元>民法:第六百二十一条(賃借人の原状回復義務) “(賃借人の原状回復義務) 第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

費用は、ハウスクリーニングや壁紙・天井の修繕は数万円から数十万円、機器の修理交換は数万円かかります。また、水道・ガス周りは数十万円です。修繕についてはアパートオーナーが負担すべきもの、入居者が負担すべきものを見極めることも大切です。修繕計画を建てて想定しておくとよいでしょう。

2-4. 大規模修繕

大規模修繕

アパート経営で最も費用がかかるのが、大規模修繕です。修理箇所は外壁部分でタイルや塗装、屋根部材の交換、ベランダの防水措置などです。年数単位での修繕となりますが、足場を建てたりするので工事期間がかかる工事です。外壁も築年数が経過すると、経年劣化で痛みが発生し、建物の雨漏りや外壁の崩れで大きな事故にもつながります。

入居者はもちろん、近隣の住民に損害を与えないようにするために、必要な修繕です。修繕頻度は外壁材や屋根材も、耐用年数が15年ほどと言われています。そのため、10年〜15年の間隔で行うとよいでしょう。費用は工事内容にもよりますが、100㎡あたり80万円〜100万円程度です。決して安い工事ではないので、修繕のために家賃から積み立てて資金を作ることが必須です。

3. 主なアパートの修繕箇所

アパートの修繕は居室の他、外壁・給排水管・ガス管部分も必要です。修繕場所について修繕費用金額や予想される修繕箇所を解説します。

3-1. 壁紙や天井などのクロスの修繕

壁紙や天井の汚れやひっかき傷による修繕があります。特に喫煙者の入居者や数年居住していた入居者が退去した場合、汚れがひどいので取り替える必要があります。クロスの耐久頻度は6年〜8年、クッションフロアは8年〜12年。破損、汚損時は退去後ごとに修繕します。

費用は6畳で36,000円〜78,000円が目安です。クロスに穴が開いたなどの修繕に関しては20㎝以下なら5,000円〜、20㎝以上になると8,000円程度が目安です。

3-2. エアコンの修繕

居室にエアコンの設置は必要不可欠です。エアコンの寿命は7年〜10年と言われています。エアコン1台につき15,000円〜20万円かかり、特に室外機の修理代が高くなります。エアコンはほぼ1年中使うことも多いため、修理箇所は電源スイッチが入らない、温度の調整ができないなど、使用時の故障がほとんどのようです。入居者が使用中に故障することもあるので、突発的な費用として準備しておきましょう。

3-3. 給湯器の修繕

給湯器も寿命があり、7年〜10年間の頻度の交換が必要です。給湯器は主にガス・灯油の供給業者でリース・レンタルでの契約と実費で設置します。リース・レンタル契約の場合サービスの一つとして機器の保守、点検を行います。実費は毎月のリース代を払わなくてもよいですが、交換や故障が複数台発生した場合は大きな出費となります。費用は給湯器1台につき10万円〜20万円です。修理費用は内容によりまちまちで、6,000円〜5万円の費用がかかります。リース代については1棟あたりの居室数によって異なります。

3-4. 給水管・排水管の修繕

給排水管も他の設備と同じく経年劣化しするもので、15年くらいの頻度で修繕することが必要です。居室の修繕の中では目に見えない問題が発生するので、定期的にこまめな点検が必要です。給排水管は、水漏れや排水管からの異臭が発生することもあり、入居者の生活に直接関わる部分です。退去者が出たタイミングで、内装工事と一緒に給排水管の修繕工事を行うことをおすすめします。費用は配管・ポンプ設備の修繕を含め10万円〜70万円程度。配管の状態やポンプ設備の状態によって費用がかかります。

3-5. 屋根の修繕

屋根は雨や雪・強い風をさらされているため、築年数が経過するたびに経年劣化します。雨風の衝撃で屋根材は凹みや傷がつき、それが雨漏りの原因となります。修繕頻度は10年〜15年が目安です。工事内容は防水措置の加工で、費用も防水塗装で100㎡あたり80万円〜100万円程度と、居室の修繕より高い金額になります。屋根材の状態によって修繕費用は異なりますが、目安として覚えておくとよいでしょう。

3-6. 外壁の修繕

外壁も屋根と同じく雨風にさらされているため、防水塗装などの定期的な修繕が必要となります。外壁の部材によりますが、下記のような劣化によるトラブルが起こります。

・タイルやモルタルは地震など強い衝撃でひびが入り、雨漏りが発生する ・サイディング材も雨風によって経年劣化とともに錆びる ・ベランダや階段や階段の手すりも同じく錆びる

錆は腐食化すると落下の原因になるのでとても危険です。定期的な修繕が必要で、10年〜15年の頻度です。外壁の修繕はさまざまな種類があります。屋上防水やベランダ防水は80万円〜100万円、外壁の塗装で100㎡あたり80万円〜100万円程度となります。

外壁の修繕

3. まとめ

アパート経営における修繕の種類と費用について解説しました。アパートを所有している以上は建物の修繕は必要です。費用も決して安くはないので、定期的な修繕の場合、年間の修繕計画を建てて、必要経費の収支計画をまとめることをおすすめします。また、家賃収入からも修繕費用の積み立てを行うなど、突発的な修繕に備えることや、大規模修繕のための費用も積み立てて確保するなど、修繕のための資金作りしておきましょう。


【参考サイト】
アパート修繕費の目安はいくら?修繕費を抑える3つの方法
アパート経営の修繕費用の目安とは?重要な7つの修繕費と時期について
法令検索:民法-賃借人| e-Gov
原状回復をめぐるトラブルとガイドライン| 国土交通省 住宅局
1Kアパートの壁紙張替えの費用相場について| 家仲間コム
サイディング外壁のメンテナンス時期と費用まとめ| リフォームジャーナル

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