ペット可のアパート経営はおすすめ?メリット・デメリットを解説

アパート経営をするうえで一番重要なことは、いかに空室をつくらないかです。空室をつくらないために、駅近物件を購入する、家賃を相場よりも下げる、リフォームをするなど、様々な工夫が求められます。このような工夫の中でも、ペットを飼ってもいい物件、いわゆる「ペット可」物件にするかどうかは、皆様判断に迷うところではないでしょうか。そこで本記事では、「ペット可」のアパートを経営するメリットとデメリットを解説します。
1.「ペット可」物件経営のメリット
まずはじめに、「ペット可」の物件を経営するメリットを4つ解説していきます。
1-1.「ペット不可」の物件と差別化できる

「ペット可」の物件を経営するメリット1つ目は、「ペット不可」の物件と差別化できることです。例えば、既にペットを飼っている人がいるとします。その人にとって「ペット不可」の物件は、選択肢に入ることはまずありません。つまり、「ペット可」にすることによって「ペット不可」の物件と差別化ができ、ペットを飼っている人の賃貸需要を獲得することができるのです。
そもそも「ペット可」の物件は、日本国内のマンション・アパートの中で1割程度しかありません。したがって、「ペット可」にするだけで、その他の物件と差別化ができるということになります。
1-2.入居期間が長くなりやすい
「ペット可」の物件を経営するメリット2つ目は、入居期間が長くなりやすいことです。前述した通り、「ペット可」の物件は全体の1割程度しかありません。そのため、ペットを飼っている人は賃貸物件を探すだけで大変な労力を伴うことになるので、一度入居した「ペット可」の物件からはあまり引っ越しをしなくなります。
「いかに空室をつくらないか」がアパート経営において重要な中、入居期間が長くなることは空室リスクを減らすことに繋がります。
1-3.家賃を高く設定することができる
「ペット可」の物件を経営するメリット3つ目は、家賃を高く設定することができることです。希少性が高いものには高い値段が設定されるのが経済の原理。1割ほどしか存在しない「ペット可」の物件は、希少性が高くかつニーズが高いため、家賃を高く設定することができます。
1-4.敷金のアップに繋げられる
「ペット可」の物件を経営するメリット4つ目は、敷金のアップに繋げられることです。敷金とは物件を借りる側が貸す側に支払う担保のことで、退去時の清掃や修繕などに使用されます。「ペット可」の物件であればペットによる部屋の傷やいたみは避けられません。そのため敷金を多くとることで調整します。
しかし昨今のアパートでは、敷金0円という物件も珍しくありません。敷金を取ること自体がマイナスイメージになってしまう近年においては、ペットを正当な理由として敷金をいただけることは大きなメリットといえるでしょう。
2.「ペット可」物件経営のデメリット
このように「ペット可」の物件にはメリットが多い反面、デメリットもあります。不動産投資において、デメリットとはリスクと同義です。ここを押さえておかないと、「ペット可」の物件にしたあとで後悔することにも繋がるため、詳細に解説していきます。
2-1.修繕費が多くかかる場合がある
「ペット可」の物件を経営するデメリット1つ目は、修繕費が多くかかる場合があることです。「ペット可」の物件であれば、部屋の傷やいたみは避けられません。したがって、入居者が入れ替わるタイミングで修繕費が高額になるケースが多々あります。
その分、敷金という形で最初に担保を受け取りますが、それでもまかなえないこともあります。修繕費は賃貸経営をするうえで仕方がない出費ですが、少しでも抑えたいのが本音。高額な修繕費は大きなリスクといえます。
2-2.近隣民とのトラブルに発展することがある

「ペット可」の物件を経営するデメリット2つ目は、近隣民とのトラブルに発展することがあることです。犬などのペットに「吠えるな」ということはできません。夜中に騒いでしまうこともあるでしょう。この時、近隣の住民から苦情が発生することがあります。特に密集した住宅街の場合は、より注意が必要になります。
2-3.ペットを飼っていない入居者とのトラブルに発展することがある
「ペット可」の物件を経営するデメリット3つ目は、ペットを飼っていない入居者とのトラブルに発展することがあることです。物件の一部の部屋だけを「ペット可」にしているアパートはよくあります。この場合、ペットを飼っていない他の入居者とのトラブルになることがあります。一部が「ペット可」の物件と分かって住んでいる人であっても、なかなか理解をしてくれないこともしばしば。近隣民とのトラブルと並んで、注意しなければならないデメリットといえるでしょう。
3.「ペット可」物件に投資する際のポイント
このようにデメリットもある「ペット可」物件への投資ですが、いくつかのポイントを押さえておけば、成功する可能性が高まります。そのポイントを3つ紹介します。
3-1.物件全体が「ペット可」の物件に投資する
ポイント1つ目は、物件全体が「ペット可」の物件に投資することです。前述した通り、他者とのトラブルは、近隣住民もしくはペットを飼っていない入居者から発生します。逆を言うと、物件全体を「ペット可」にすることで、ペットを飼っていない入居者とペットを飼っている入居者から発生するトラブルを無くすことができます。
しかし、後から物件全体を「ペット可」にすることは困難です。したがって、アパートを購入する際には、最初から全体が「ペット可」の物件を選ぶようにしましょう。
3-2.ペットの種類や数などのルールを明確に定める
ポイント2つ目は、ペットの種類や数などのルールを明確に定めることです。例えば、飼ってもいいペットを猫に絞れば、吠えることが減るため苦情発生の数を減らせるかもしれません。声を出さないうさぎなどのペットに絞っているケースもあります。数を絞ることでも苦情発生リスクを減少させられるので、必ず明確に定めるようにしましょう。
3-3.原状回復のルールを明確に定める
ポイント3つ目は、原状回復のルールを明確に定めることです。原状回復とは、退去時に部屋を修繕することです。このルールを明確に定めていないと、修繕費が莫大になる可能性もあります。例えば、「床に〇cm以上の傷があれば入居者負担」のように、細かいルールを定めておくことで、退去時のトラブルも未然に防ぐことができます。
4.まとめ
「ペット可」物件にすることは魅力的な点が多い反面、リスクも伴います。しかし空室発生を防ぐために「ペット可」にすることは、戦略として決して間違いではなく、むしろおすすめです。本記事で紹介した、「ペット可」物件に投資する際のポイントをしっかり押さえつつ、「ペット可」物件で成功することを願っています。