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不動産オーナー1年目の学校

【一覧】親から相続した不動産を売却する時にかかる費用とは?

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【一覧】親から相続した不動産を売却する時にかかる費用とは?

「親から不動産を相続したとき、どんな費用がかかる?」「相続した不動産を売却するときには、いくらくらいかかるの?」ほとんどの場合、相続人に基礎知識がない状況で相続は突然発生します。この記事では、相続した不動産を売却したい人向けに、不動産の相続時および売却時に発生する費用を一覧でご紹介します。ぜひ最後まで読んで、相続不動産の売却準備にお役立てください。

1. 相続してから売却するまでは多くの費用が必要

不動産を相続してから売却するまでには、税金や手数料等の費用が発生します。具体的には、相続時には、登録免許税、相続税、書類取得費用等がかかります。売却時の費用としては、仲介手数料、譲渡所得税、印紙税等が挙げられます。

2. 相続した時にかかる費用

まずは、相続時に発生する費用を確認しましょう。

2-1. 登録免許税

不動産を相続する時には、名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」を行います。相続登記を行う際には、登録免許税を納める必要があります。

相続登記の登録免許税 不動産の固定資産評価額×0.4%

例えば、固定資産評価額が2,000万円の土地を相続登記する場合、2,000万円×0.4%=8万円の登録免許税がかかります。固定資産評価額は、不動産の所在地の市区町村で取得できる固定資産評価証明書で確認しましょう。管轄法務局によっては、毎年4~5月頃に市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書の課税明細書でも良い場合があります。

2-2. 相続税

相続税は、遺産総額から基礎控除を差し引いた金額に対して課税されます。遺産総額は現預金、株式、不動産等のプラスの財産から、借入金、未払金、葬式費用等のマイナスの財産を差し引いて算出します。基礎控除の金額は下記のとおり計算します。

相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

法定相続人が多いほど基礎控除は多くなります。例えば、法定相続人が1人の場合には3,600万円、2人の場合には4,200万円となります。被相続人の遺産総額が基礎控除を下回る場合には、相続税がかからず申告も不要です。税制改正により平成27年以降発生する相続税の基礎控除額が40%減額された影響で、今では10人に1人くらいの割合で相続税申告が必要となってきています。ちなみに、相続税には基礎控除のほかにも税額を減額する小規模宅地等の特例や税額控除があります。要件を満たす場合には、忘れずに適用しましょう。

2-3. 書類取得費用等

戸籍謄本や不動産の登記事項証明書等の必要書類の取得や郵送費用も少額発生します。その他、登記手続を司法書士に依頼する場合には、司法書士に報酬(5万円程度)を支払います。相続税の申告を税理士に依頼する場合には、税理士報酬(遺産総額の0.5%~1.0%程度)も支払うことになるでしょう。

3. 不動産を売却する時にかかる費用

次に、相続した後、不動産を売却する際にかかる費用も確認しましょう。

3-1. 仲介手数料

仲介手数料

不動産会社に販売を委託して成約した場合、仲介業務の報酬として仲介手数料を支払います。不動産会社は、物件情報サイトに情報を掲載したり、チラシ配布等の営業活動を行います。なお、消費者保護の観点から仲介手数料の上限は法律で定められています。

一般的には、不動産会社が利益を確保するために仲介手数料を上限額で設定しています。売買価格が400万円を超える場合には(売却価格×3%+6万円)+消費税10%が上限です。

したがって、例えば、売却価格が4,000万円の場合、(4,000万円×3%+6万円)+12.6万円=138.6万円の仲介手数料を支払うこととなります。通常は売買が成立したときのみ支払うことになりますが、手付解除や違約解除の場合には成立しなくても支払う必要がありますのでご注意ください。

3-2. 譲渡所得課税

不動産を売却して売却益が出た場合には、譲渡所得として所得税・復興特別所得税・住民税の3つの税金が課税される可能性があります。所得税と復興特別所得税は、不動産を売却した年の翌年に確定申告書を提出して3月15日までに納付しましょう。

一方、住民税は、売却の翌年の6月から年4回(6月、8月、10月、1月)に分けて支払期限がやってきます。

譲渡所得=売却価格―(取得費+譲渡費用)

取得費とは、物件の購入代金や購入時の仲介手数料、登録免許税等の税金等、購入時にかかった費用と増改築費用の合計金額です。建物等の減価償却資産に関しては、減価償却費用相当額を差し引いて取得費を計算しましょう。ただし、相続した不動産の場合、契約書の紛失等により取得費が不明な場合も少なくありません。その場合には、売却価格の5%を概算取得費として計算します。または、状況によっては市街地価格指数をもとに算定することができるケースもあります。

なお、市街地価格指数とは、一般財団法人日本不動産研究所が発表している地価の推移を表した指標データです。一方、譲渡費用とは不動産売却にかかった費用の合計金額です。具体例としては、不動産売却時の仲介手数料や税金、建物の取り壊し費用が挙げられます。譲渡所得税はほかの所得と別々に計算される分離課税で、税率は所有期間が5年を超えているかどうかにより異なります。

「売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下」の場合、短期譲渡所得となり税率は39.63%(所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%)です。「売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超」の場合、長期譲渡所得となり20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税率になります。

相続によって取得した不動産の場合、被相続人の取得日を引き継ぐことができるので、長期譲渡となるケースが多いです。相続により取得した不動産の譲渡に関しても、税金を軽減する特例があります。例えば、納付した相続税の一部を譲渡所得算定時に取得費に加算できる特例や、要件を満たして空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除です。なお、相続税加算と空き家の譲渡所得の特例は選択適用ですので、どちらが有利か検討のうえ適用することになります。譲渡所得税が発生する場合には、適用できる特例がないか確認しましょう。

3-3. 印紙税

相続した土地を売却する際の売買契約書には、収入印紙を貼り付けます。印紙税とは、経済取引に伴い作成する契約書や領収書等の文書に課税される税金です。売買契約書に収入印紙を張り付けて納税が完了します。税額は、契約金額により異なります。不動産の譲渡等の印紙税の税額は、令和4年3月31日まで軽減されており、例えば、契約金額が1,000万円超5,000万円以下の場合1万円になります。

印紙税は契約書1通につき課税されるので、1通ずつ保管する場合には2通分の印紙代が発生します。実際の売買契約時は、不動産業者が印紙を準備することが多いです。印紙税を納めないと3倍の過怠税が課されますので忘れないように注意しましょう。

3-4. その他の費用

その他、物件の状況によっては下記の費用がかかります。また、相続後売却するまでは毎年固定資産税・都市計画税が発生します。

  • ハウスクリーニング費用 売却のために部屋をきれいにする費用
  • 測量費用 隣地との境界が不明瞭な場合に専門家に依頼して測量する費用
  • 解体費用 更地として売却する場合
  • 税理士費用 譲渡所得の確定申告を税理士に依頼する際の報酬

4. まとめ

まとめ

このように、不動産を相続して売却するまでには、各種税金や手数料がかかります。ただし、相続税や譲渡所得税は特例を利用することで軽減できる可能性もあります。必要に応じて、専門家に早めに相談しましょう。また、不動産の売却準備と並行して、各種費用の発生スケジュールと概算額を事前に把握しておくことで、手元資金が不足する事態を防ぐことができるでしょう。


【参考サイト】
不動産売却の費用や手数料はいくらかかる?安く抑える方法も解説「イエウール(家を売る)」
不動産相続で必要な5つの手続き!かかる費用も徹底解説
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